腱板断裂
当院における肩腱板断裂
肩腱板断裂
「腱板」とは肩のインナーマッスルであり、4つの腱(肩甲下筋腱・棘上筋腱・棘下筋腱・小円筋腱)で構成されます。
このうち断裂を来しやすいのは「棘上筋腱」で肩の挙上、特に外転時に痛みを自覚します。
腱板断裂をきたすと、痛みや可動域制限のほか、夜寝ている時に肩が痛くて眠れないといった症状が見られます。

第一三共株式会社「Shoulder Pain Guide Book」より
診断にはMRIが最も有用です。腱板は上腕骨側は腱、肩甲骨側は筋となっており、収縮する方向へ力が加わるため、断裂が起こると自然回復は難しく、断裂が拡大していくと考えられています。

治療には薬物療法、リハビリテーション、注射療法という選択肢があります。しかしながら完全断裂の場合は根本的な治療法は手術加療になります。
断裂を放置すると「腱板断裂性肩関節症」へと進行し、修復がむずかしくなります。
手術

関節鏡(内視鏡)を用いた手術です。1-2cmの創6箇所程度で行います。アンカーと呼ばれる糸が装填されたスクリューを元々の腱板付着部に打ち込み、糸を腱板の下から上に通します。その糸を上腕骨の外側まで引っ張って別のスクリューで固定することで断裂部を修復します。スクリューは金属製ではなく人工骨で作られています。


術後
腱板断裂の術後はリハビリテーションがとても重要です。たとえ手術がうまくいっても、リハビリを順序立ててしっかりやらないと腱板の再断裂が起こったり、肩関節を包む袋(関節包)がかたくなって動きが悪くなってしまいます。
術後、通常のコースでは装具を4週間使用します。残念ながら装具使用中は運転を許可できないため、入院期間は自家用車の運転をご自身でされずに通院可能な方は1週間程度、御自身で運転しないと通院が難しい方は2-3週間(要相談)としております。
腱板を上腕骨に固定したのち、しっかりとくっつくまでは6ヶ月程度かかると考えられているため、手術のあと重い物を持つことを制限する必要があります。こういった時期による決まりごとはその都度リハビリテーションの担当者や医師にお尋ねください。
当院医師の経歴紹介
キッコーマン総合病院
整形外科部長
大西 信三 医師
2026年4月当院へ赴任
国内・フランスへの留学にて肩関節の知見・手術手技を身につけ、筑波大学附属病院整形外科において13年にわたり肩関節分野のチーフを務める。ハンドボールの各カテゴリー代表ドクターを歴任、ハンドボール男子代表のドクターとしてパリオリンピックへ参加。スポーツ整形外科にも明るい。
当院着任までに肩関節関連手術執刀約2000件(関節鏡下腱板断裂1100件、解剖学的・リバース型人工肩関節350件、反復性脱臼300件、その他肩鎖関節脱臼など250件)と豊富な経験を有する。2025年度肩関節執刀件数は215件。
当院では大西医師の後任として筑波大学附属病院整形外科の肩関節分野チーフに着任した池田和大医師も非常勤医師として診療にあたっております。肩関節の痛みでお困りの患者様は受診をご検討ください。
当院対応肩関連疾患はこちら
- 肩腱板断裂
- 変形性肩関節症
- 腱板断裂性肩関節症
- 反復性肩関節脱臼
- 肩鎖関節脱臼
- 胸郭出口症候群
- 凍結肩(肩関節周囲炎:五十肩)