乳腺症
概要
乳がん検診を受けたり、乳房に異常を感じて外来を受診した際に、乳腺症と言われた方は多いと思います。
乳腺症とは、中年女性によく見られる良性疾患で、性ホルモンの不均衡(相対的なエストロゲン過剰状態)により起きると考えられています。
乳腺は性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、プロラクチンなど)の影響を受けています。エストロゲンは乳腺の発育に影響を与えていますが、その(プロゲステロンに対する)過剰状態が乳腺症を発生させるといわれています。従って、乳腺症の症状は生理と共にある程度の周期性をもっています。
似た病名に乳腺炎がありますが全く別のものです。乳腺炎は細菌の感染や、授乳期に乳汁がうまく出なくて起きるものです。
乳腺症の症状と診断
乳腺症の症状としては、
- 1乳房に表面がでこぼこしたしこり(これが乳腺そのもの)を触れる。
- 2乳房に痛みを感じる。この痛みは生理前に強くなり、生理が始まると軽減する周期性をもつことが多い。
- 3乳頭から分泌物(透明、ミルク様など)がある。
などです。診断は症状と触診所見からもわかりますが、レントゲン写真やエコーでは特徴的な所見がみられます。レントゲンでは正常乳腺にくらべ、より白っぽくみえます(スリガラス状、綿毛状などと言われる)。また、エコーでは白い部分と黒い部分がまだら状に見えたり、大小の嚢胞(のうほう:水がたまっている袋状のもの)が見えたりします。
乳腺症の治療
レントゲンやエコーで悪性の疑いがなく、症状が軽い場合は経過観察で充分です。大きな嚢胞は注射器で内容を吸引して検査します。
分泌物が多い場合は乳管造影や生検(組織検査)が必要なこともあります。また、悪性が疑われる時も生検が必要です。痛みなどの症状が強い時はホルモンの分泌を抑える薬を使うこともあります。
乳腺症と乳がんの関係
乳腺症があると乳がんの発生率が多少高くなるという説はありますが、大多数の乳がんは乳腺症とは無関係に発症していることも確かです。乳腺症のあるなしにかかわらず、定期的に検診を受けたり自分で触診を行い、病気を早期に発見することが大切です。
乳腺症と乳がんの画像
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