出生前検査について

 千葉県野田市にあるキッコーマン総合病院の産婦人科では、希望する妊婦さんに出生前検査を行っています。

 先天的な病気を持って生まれてくる赤ちゃんが「妊娠中に分かる場合」「生まれてからわかる場合」を合わせると、約3~5%いると言われています。先天的な病気とは「からだの構造や機能に違いが表れる病気」と「染色体の病気」に分けられます。

 当院で実施している出生前検査は非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)、羊水検査の2種類を実施しており、赤ちゃんが「染色体の病気」の一部をもつ可能性について調べる検査です。当院は、202441日付で出生前検査認証制度等運営委員会により連携施設と認証されました。

 検査をご検討の方は、以下をご参照ください。併せて外来主治医にもご相談ください。当院以外の施設で出産予定の方も受けることが出来ます。その場合はお電話でお問い合わせください。

当院で実施できる出生前検査の種類

検査名 検査時期 実施方法 流産のリスク 調べる病気 費用 事前予約
NIPT 10~14週 血液検査 なし ダウン症
18トリソミー
13トリソミー
150,000円
(カウンセリング料含む)
必要
羊水検査 16~19週 羊水穿刺 あり 染色体異常 150,000円
(1泊2日入院)
必要

※NIPTは非確定的検査です。「陽性」の場合、100%「陽性」という訳ではありません。もし結果が「陽性」と出たら羊水検査を受けるかどうか考えることになります。
※NIPTを受検後に羊水検査を実施される場合、羊水検査の費用はかかりません。
※2024年11月25日をもって検査会社の事情により母体血清マーカーの取り扱いを一時中止します。

非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)について

妊婦さんの血液を採取し、「染色体の病気」のうち、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つについて病気がある可能性を調べる検査です。結果は「陽性」「陰性」「判定保留」と表されます。検査を受ける前にカウンセリングを受ける必要があり予約が必要です。大まかな流れは下記の通りです。

NIPT01  
 
妊娠6週~8週:心拍確認
 ・赤ちゃんの心拍の確認をします
 ・外来医師から出生前検査のご案内がありますので、パートナーと検査を受けるか相談しましょう

 


NIPT02
  妊娠8週~12週:予定日決定/カウンセリング予約
 ・外来医師に検査の希望を伝えてください
 ・検査前カウンセリングは 妊娠12週まで に予約してください

 


NIPT03
 事前学習~検査前カウンセリングを受けるまで

 ・事前にNIPTに関する動画を 必ず 視聴し事前学習をしてください

NIPT09
 検査前カウンセリング当日

 ・金曜日午後または土曜日午前に実施します
 ・予約時間の15分前に来院ください
  ※妊婦さん1人だけで受診も可能です。その場合、同意書にパートナーの名前を代筆いただきます。



NIPT05
 妊娠10週0日~妊娠14週6日まで:血液検査
 ・金曜日午後または土曜日午前に実施します
 ・カウンセリング当日に血液検査が可能です。
 



NIPT06 
 血液検査から1週間後:結果説明

 ・金曜日午後または土曜日午前に実施します
 ・次回は予定通り、妊婦健診にお越し下さい





NIPT07 
 もし陽性であった場合

 ・16 週以降に、確定診断を受けるため、羊水検査を実施します
 ・羊水検査の結果の内容によって、妊娠の継続を迷う場合は速やかに ご相談ください
  ※羊水検査の費用負担はありません




<注意事項>

当院は、2024年4月1日付で出生前検査認証制度等運営委員会により、連携施設と認証されました。基幹施設は東京女子医科大学八千代医療センターとなります。
当院での検査前カウンセリングの中で、相談内容により詳細な遺伝カウンセリングが必要であると判断した場合、東京女子医科大学八千代医療センターの臨床遺伝専門医(小川正樹先生)にご紹介することがあります。
検査を受けるかどうか悩む場合、小児科専門医に相談が可能です。八千代医療センター小児科の高梨潤一先生が出生前コンサルト医として担当しています。
上記はおおまかな流れとなります。ほかの病院で出産を予定されていても、検査は可能です。気軽にお問い合わせください。
・諸事情により、夫やパートナーが居ない方は外来でご相談ください。

羊水検査について

 超音波検査で胎盤や赤ちゃんの位置を確かめながら、妊婦さんのお腹に注射針を刺して約20ml程度の羊水を抜きます。羊水中には赤ちゃんのからだから剥がれ落ちた細胞が浮遊していますので、それを培養して染色体を調べる検査です。染色体の異常(染色体の数や構造の異常)を知ることができます。1泊2日の入院で実施します。針を刺すため、感染や出血が起こることがあります。0.3%の割合で流産の可能性があり、再入院が必要となる場合があります。