出生前検査について

 千葉県野田市にあるキッコーマン総合病院の産婦人科では、希望する妊婦さんに出生前検査を行っています。

 先天的な病気を持って生まれてくる赤ちゃんが「妊娠中に分かる場合」「生まれてからわかる場合」を合わせると、約3~5%いると言われています。先天的な病気とは「からだの構造や機能に違いが表れる病気」と「染色体の病気」に分けられます。

 当院では出生前検査のうち非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)及び母体血清マーカー(トリプルマーカー)の2種類を実施しており、赤ちゃんが「染色体の病気」の一部をもつ可能性について調べる検査です。当院は、2023年10月1日付で出生前検査認証制度等運営委員会により暫定連携施設と認証されました。検査をご検討の方は、以下をご参照ください。

当院で実施できる出生前検査の種類

検査名 検査時期 実施方法 流産のリスク 調べる病気 費用 事前予約
NIPT 10~14週 血液検査 なし ダウン症
18トリソミー
13トリソミー
150,000円
(カウンセリング料含む)
必要
トリプル
マーカー
15~17週 血液検査 なし ダウン症
開放性神経管奇形
12,000円
(検査料のみ)
不要

※どちらも非確定的検査です。「陽性」の場合、100%「陽性」という訳ではありません。もし結果が「陽性」と出たら、羊水検査など流産リスクがある検査を受けるかどうか考えることになります。

非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)について

妊婦さんの血液を採取し、「染色体の病気」のうち、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つについて病気がある可能性を調べる検査です。結果は「陽性」「陰性」「判定保留」と表されます。検査を受ける前にカウンセリングを受ける必要があり予約が必要です。大まかな流れは下記の通りです。

NIPT01  
 
妊娠6週~8週:心拍確認
 ・赤ちゃんの心拍の確認をします
 ・外来の医師から出生前検査のご案内がありますので、夫またはパートナーと検査を受けるかどうか相談してください

 


NIPT02
  妊娠8週~10週:予定日決定 カウンセリング予約
 ・出産予定日を決定します
 ・検査を希望される場合、医師に伝えて、東京女子医科大学八千代医療センターの検査前カウンセリング外来を予約してください
 ・検査前カウンセリングは 妊娠12週まで に予約してください
 


NIPT03
 事前学習~検査前カウンセリングを受けるまで

 ・事前にNIPTに関する動画を 必ず 視聴し事前学習をしてください

NIPT04 検査前カウンセリング当日
 ・妊婦さん お1人またはご夫婦またはカップル2人で来院ください
  ※1人で来院された場合、同意書はパートナーまたは夫の代筆が必要です
 ・東京女子医科大学八千代医療センターとオンラインで繋ぎ、カウンセリングを受けます
 ・カウンセリング担当医師は、産婦人科 小川正樹先生です
 ・金曜日午後または土曜日午前 に実施します
 ・予約時間の 15分前 に来院ください
 ・料金は 16,000円 です(再診料は 8,000 円です)


NIPT05
 妊娠10週0日~妊娠14週6日まで:血液検査
 ・妊婦さんお1人 での受診で大丈夫です
 ・金曜日午後 に当院で実施します
 ・料金は 120,000円 です



NIPT06 
 血液検査から1週間後:結果説明

 ・妊婦さんお1人またはご夫婦またはカップル2人で来院ください
 ・金曜日午後 に当院で実施します
 ・料金は 5,000円 です
 ・次回は予定通り、妊婦健診にお越し下さい




NIPT07 
 もし陽性であった場合

 ・東京女子医科大学八千代医療センターを受診し、結果の詳細の説明を受けて下さい
 ・16 週以降に、確定診断を受けるため、羊水検査を実施します
 ・羊水検査の結果の内容によって、妊娠の継続を迷う場合は当院へご相談ください



注意事項

・当院は、 出生前検査認証制度等運営委員会において、暫定連携施設と認証されました。制度上、検査前カウンセリングはキッコーマン総合病院内でオンラインで実施し、血液検査の結果によって基幹施設である東京女子医科大学八千代医療センターを受診する必要があります。
・検査を受けるかどうか悩む場合、小児科専門医に相談が可能です。東京女子医科大学八千代医療センター小児科の高梨潤一先生が出生前コンサルト医として担当しています。
・上記はおおまかな流れとなります。他院で妊娠確認、予定日決定された方で検査を希望される場合も、気軽にお問い合わせください。
・諸事情により、夫やパートナーが居ない方は外来でご相談ください。

母体血清マーカー(トリプルマーカー)について


 妊婦さんの血液を採取し、「染色体の病気」のうち、21トリソミー、「からだの構造や機能に違いが表れる病気」のうち、開放性神経管奇形が分かります。21トリソミーは1/○○○という確率で結果が表されます。一般的に21トリソミーである確率は年齢別に30歳で1/1000、35歳で1/300、40歳で1/100となります。開放性神経管奇形は、「陽性」「陰性」結果が表されます。予約は不要で、希望される場合は妊婦健診中に主治医の先生にお伝えください。